un tout

1700 × 1900mm, acrylic and staining sea water on undershirt
2017年 

現代の生活で色はプロダクトなものとなりつつある。彩り鮮やかな服や製品はどうやって着色されているのかを気にすることが少なくなりつつある。人間はその時代時代に応じて自然から生活へ色を取り入れてきた。最も原始的な染色は、生地の上に植物の葉や花を卵白や動物の血液で定着させるという手段が用いられていた。装飾の語源が宇宙や秩序であるように元来の、<飾る>ではなく環境を含めて人間と自然が一体化していくことを根底におき、本作では人間の肌に一番近い衣服である襦袢に海水を用いて染色をしている。
私たち自身が環境を含めた、絡まり合った世界の一部として生きる事を自覚する事によって、現代に生きる人間の抱える断絶や孤独の問題を再考できるのではないだろうか。現代においても、近代の人間中心主義的な世界観や理性の支配によって、戦争や環境破壊が未解決のまま続いている。こうした状況の中で、私は環境を含めた動物と人間の新しい関係を表す事が必要だと考えている。そのことによって、世界を包括的に捉え直し、世界の見方を広げる事が出来るのではないだろうか。 様々な色づいた限りない多様性は、いわば我々の目の前を通り過ぎる。






































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